ヴィンティージ国産スピーカーを聴く №5

ONKYO  FR-16A

今回は数少ないONKYOのフルレンジを紹介します。オーディオへ夢中となり始めた高校生時代、オンキョーのFRシリーズはとても高くて手は出せませんでした。FR-16A、当時の定価は5,800円。

紹介するきっかけは、お客さまからスピーカースタンドの照会を頂き、探していた最中に偶然発見したからです。

以前に自宅で聴いた印象は可も無く不可も無く…

早速、音出しに移りました。試聴はパイオニアと同じく2A3のシングルとAH!!のCDプレーヤーです。

最初は球が温まっておらず、高域が少しやかましい印象を受けましたが、スピーカーの間隔を広げて試聴位置を変えながら聴きました。ちなみに、FR-16Aの高域特性は15KHzまで。全く不足を感じないのは何故でしょうか!?

天満さんやクロストークの「白い森の音楽祭」、古い音源のピアノ等々のソフトで試聴…次に聴いたのが

Jazzvocal!!

人の声が良いなぁ~と聴いていたら、な、な、なんと!! イスの上で寝ていました。恥ずかしながら…お客さまのご来店で起きたのです。十七時頃ですから、大脳の意識レベルはそう低下しているはずもないのに…

このフルレンジに、ニックネームを付けるのであれば「魔性のフルレンジ」でしょう。

追えば逃げる。ボーリュームを上げても良くは聴こえない。音は前に出て来ない。適度の音量で本気になって聴き込むと寝てしまう(笑)

そんなフルレンジユニットです。

アメリカ系、ヨーロッパ系、日本と音を分類するのであれば、明らかにFR-16Aは「ヨーロッパ系」の音!!

ショボイ店主の感想ですが、音の粒子が大変細かく質が高い。音の太さでは無く、空間で聴かせるところが、このユニットの特徴。きっと、グランドセプターGS-1もこのような音だろうと、ふと思い浮かんだのも不思議です。

この特徴を例えれば、平面バッフルで聴いているような音の広がり、臨場感を持つことでしょう。

Mockupの店内は、かなりライプな響きです。狭い空間(部屋)で鳴らしたのでは、このFR-16Aは実力を発揮出来ないと思います。

また、最近流行のマイクを超多数使用し、ミキサーで強制ミックスした多重録音は最低の再生音となりました。

ホール録音や、あまりいじり過ぎない録音は全てを引き出す。そんなフルレンジです。

大変失礼ですが、当時の数あった国産フルレンジユニットの中では☆☆☆☆☆です。

尚、スピーカーボックスは端子からするとCORAL製でしょう。

店主、他にもFR-12A、FRX-20も所有しています。ぜひ今後、紹介したいと思います。

晩酌しながら聴いた最後のCDはビバルディ

「ヤバイ」!! 目をつぶって聴いていたら、また睡魔に襲われるところでした…。

弦はリアル過ぎる程の再現能力です。生々しいと言うより、耳に素直に入る「楽器本来の音」が表現としては正しいかもしれません。

今回は、ONKYO FR-16Aを紹介いたしました。

不思議なスピーカー…

いや、超高級スピーカーユニットです。ONKYO恐るべし!!

次回もお楽しみに  (´_ゝ`)