《予告編》の次は《苦悩編》をお伝えします。
先ず、スピーカーの紹介(/・ω・)/
LEAK 2075
1975年頃でしょうか、珍しいLEAKの4ウェイスピーカーです。使用されているユニットはワーフェデールと推定されます。お客さまからは、2セット譲っていただきました。状態は個体によってさまざまでしたが、ニコイチで復活できる希望を持って店に搬入し「音出し」を再優先に、整備を進めることとしました。約四十五年前のスピーカーです。何が起きても不思議ではありません。
「音出し」は見事に失敗!! ウーハーはボイスタッチがあり、半分はオーバーホールが必要でした。問題は高域のドームツィターで、四個全てから音を出すことができませんでした。中高域のスコーカーは一個が振動板のプラスチックが破損。一個はセンタードームが凹んでいます。中低域のスコーカーも、明らかなボイスタッチが二個で他の二個も不明な状態でした。
ツィーターが鳴らないまま、最初の「音出し」は終了しました。さぁ~、問題はツィーターです。息子が同形式のツィーターを所有していたので1個を拝借し、疲労断線していたツィーターも修理をお願いしました。
ツィーターの準備が整いましたので、早速、片側から仮接続を開始し「音出し」を…。「へっ!!」、音が出ません!! ツィーターの「ツ」の字も音が出ません(>_<) ツィーター単体では問題なく音は出ます。原因はネットーワークしかありません。
諦めてウーハーを外し、ネットワークを探すことに…。ウーハーボックスの天板裏に取り付けられていました。配線を外し、木ねじで止めてあった巨大な渦巻き状のコイルも外しネットワークの取り出しに成功です。さぁ~、基板を辿って高域用のフィルターを探します。
ありました!! 2.2μFと1.0μFのコンデンサーが並列に取り付けてありましたが、見た目で割れているのが分かりました。音が出ない原因は、コンデンサーがオープンになっていたせいです。グットタイミングでWIMAの3.3μFを息子が所有していたので、交換作業に移りました。苦しい時のかわゆい息子♡ありがたいことです。
見事に劣化し割れていました。但し、他の3台のツィーターの導通を測ったところ導通はあり、四台全てが生きました。
四十五年間の風化ですね。取付完了!!
他のコンデンサーも疑心暗鬼ですが、先ずは音出し優先です。
基板のコイルを取り外した跡には英字が書かれていました。さすが、イギリス製(笑)
二台とも基板のコンデンサーを交換しウーハーを取り付けましたが、ウーハーボックスをよく見ると背面に一本のロードがかかっているようです。それも、吸音材が詰められて??? 尚、吸音材には羊毛(たぶん)が使われていました。
ウーハーも右側のゴムエッジにクラックが入っていましたが、音漏れの量は微々たるものとして音出しを進めました。
ツィーターは問題なく音が出ました。大変、品の良いイギリス系の音でしょう。ただ、ピアノ曲を掛けると右チャンネルの中域で音が歪みます。中低域のスコーカーは2台以外はボイスタッチしています。諦めて修理をお願いしました。エッジが幅広のウレタンに何か処理をしてある感じです。中々、センターが出ずに苦労されたようです。スコーカーの修理を終えて再度ピアノ曲を聴きますが、まだ歪むのです。良ーく聴いてみると、今度は同じ右側の中高域のスコーカーが歪みます(>_<)
ボイスタッチはしていないようですが、ギャプに鉄粉が入ったのかもしれません。諦めて、センタードームが凹んでいるユニットと交換し再度試聴を開始しました。ビニールテープをエッジに使っているようなチープなスコーカーですが、音の歪みは解消しました。
何とか、全てのユニットから問題なく音が出るようになりました。
次回は《試聴編》としてお伝えします。