VICTOR SX-500Ⅱ
数日前、店奥のスピーカーを整理している際に、モックアップを開店して間もなく、お客さまから譲って頂いたSX-500Ⅱが目にとまりました。まだ、ブログで紹介していないことと、本格的に鳴らしていないこともあり、今回、№45として紹介するとといたしました。
オールアルニコのスピーカー!! 期待できそうです👐
システムはTEACのS-770と全く同じままで、先ずは音出しを優先しました。
しかーし (ーー;)
思うように鳴らなかった…
G線上のアリアから試聴開始です。S-770と比べてビオラの音が太く期待できるかも…。
続いて、ケイコ・リーのLiveを!!
ダメ ✖ vocalの抜けが悪く平面的な鳴り方です。
次は、ビルエバンスを!!
時折、ベースとピアノの音にドッキリしますが…ダメ✖
音が粗く感じました。MOSとは、音がなじまないのでしょうか 。
SX-500Ⅱは密閉箱で、カタログデータの能率は90㏈、決して低い数値ではないと思いますが、奥行の少ない小型の密閉箱に20cmウーハーを入れたシステムです、90㏈は少し? かなり??「まゆつば」かもしれませんね。MOSがダメなら、球でしょう👍
じゃーん👍
新入り、嘉穂無線時代のエレホビー2A3シングルアンプ。
アルニコと真空管。相性が良さそうですが、出力は公表2W、実質3.5Wほどあるとか…。
なお、店主が説明書を見ながらテスターとマイナスドライバーでバイアス調整を行いました。
MOSが10Wあって撃沈だから、2A3も無理でしょうか…。
2A3は意外と明るい音でしたが、2A3を単体で鳴らしても「いまいち」!! 早々に球プリとイギリス系のRCAケーブルで接続し再試聴しましたが、SX-500Ⅱは微笑みません。
音が沈んでいるように感じたので、スピーカースタンドを金属製のKRYNAから木製のOPERAのへ交換してみました。バイワイヤリングの端子もクリーニングしたし、期待できそうです。
音は美しいのですが、張りの無い音。音がバッフル板に張り付いていて、前に出てこない (-_-;)
バッフル板は必要以上?にカッチカチ。メープルの積層合板だそうで、音量を上げてもうるさくなるだけでした。最後の手段!! 樹脂製天板とスチールの組み合わせ、J1プロジェクトのスタンドに交換してみました。
ん~ (ーー;)
気持ち改善された気がするけど…まだ、ひゃんでぇ音です (>_<)
SX-500Ⅱの前にひれ伏すしかないか…もう、あれしかない…です…。
球からデジタルアンプへ!!
創造科学のデジタルアンプへ交換です。
配線を外すのは面倒くさいから、球プリと接続しました。
先ずは、元気の良いユーミンから聴いてみました。音が力で前に出てくるようですが、そんなに悪くない。
RCAケーブルもhinaの伊吹に交換してみました。
低域も十分、高域は少しうるさい一歩手前ですが、伊吹のせいかもしれません、元気がある音に変わりました。
パワーのボリュームを12時まで上げてみました。ハッキリ、くっきり、すっきりの音です。しかし、このままの音量では難聴になってしまいそうです。角が取れていないけど、SX-500Ⅱの本領発揮でしょうか。
YouTubeで聴いた、㈱音工房Z「市販品スピーカー研究 VICTOR SX500 DOLCE」の音と相違がないほどでっす!!
初心に帰り、今川信子さんの「ヴィオラ」にもどりました。G線上のアリアが店内に響きます。ピアノとヴィオラが相互に、自然に、音が交わります。
SX-500Ⅱの響きは、二本のスピーカーに対して奥行とか拡がりとかではなく、あえて表現するのであれば、フルレンジが鳴っているようです。メーカーの目指したところでしょう。
途中、お客さまがご来店。
お客さまとの会話のため、ボリュームを下げます。きっと、デジタルアンプが温まってきたのです、小音量でも「ヴィオラ」の余韻が美しく聴こえました。
ビクターのアルニコ・SXと言えば「球」を連想してしまう店主でしたが、今回は全くの逆の結果となりました。
MOSダメ、球ダメ…きっと、パワー不足だったのでしょう。きっと、SX-500系列の開発にはトランジスタアンプが使われていたのでしょうか…。時間があれば、Victorのプリメインアンプで鳴らしてみたいです。
最後にまとめます。デジタルアンプでの再生は、固い音ですが、密度が高く、濃い音を聴くことができました。この音ならば、トランジスタアンプの全盛時代で爆発的に売れたと思います。
店主、勉強不足で、経験不足で恐縮ですが、今回MOSと球でなぜSX-500Ⅱが思うように鳴らなかったのか。単なる相性と能率だけなのでしょうか。
最後のチャレンジで別の球アンプで試聴しました。
五年前に購入した、出力管に複合管6AS7Gを使ったOTL(自作)アンプです。数年ぶりに電源を入れるので慎重に。問題なくSX-500Ⅱから出力できました。今川信子さんの「ヴィオラ」は、デジタルアンプと比べて音の固さがありません。やはり、球の包み込むような温かな音ですが、音に深みがあり余韻も実に美しい。
OTLで鳴らしたことは正解でしたが、ボリュームの位置から推定するとSX-500Ⅱの能率は86~87㏈程度だと思われました。2A3とOTLの違いは出力の違いと、出力トランスの有無と帯域の広さでしょうか。 MOSにも出力トランスはありませんし、広帯域ですから何とも言えませんね。相性…“(-“”-)”
今回は、VictorのSX-500Ⅱを紹介いたしました。
次回もお楽しみに♬
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