ヴィンティージ国産スピーカーを聴く №39

Technics  SB-M20

mockupTechnicsSB-M20

小型スピーカーを連続して紹介しています。KENWOODVictorと続けば、やはり次はTechnicsでしょう。自宅にこのSB-M20がありましたので店まで持ってきました。しかし、このSB-M20も鳴らすのに難儀するのです…。

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最初は今までと同じスピーカースタンドに載せて試聴を開始しました。試聴機材に変更はありません。

Technicsに期待して、最初からバイオリンを聴きました。

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うん!! 悪くない。バイオリンが妙に生っぽい感じがします。これは、いけると思いフジ子さんにチャレンジ!!

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まったくダメ!! 低域が締まらず、なんとも嫌な低域が聴こえます。とても嫌なボン付き音。各楽器もピアノも平面に聴こえてダメ。この時、ウーハーの位置が店主の耳の高さぐらい。ただひとつの救いは、立ち上がって試聴位置を上にしたら、少し拡がりを感じました。上から聴き下ろすと良い結果が出そうです。

このスピーカー、不思議に真正面で聴くと音が拡がらず平面に聴こえます。オンキョーのインシュレーターを下に入れても音の傾向は変わらず…。

ん~、どうしようか…。インシュレーターをスピーカーの下に入れる際にスピーカーを持ち上げたら、エンクロージャーが全く振動していません。Victor無垢材二機種は大いに振動していました。

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結果、樹脂製の天板及びスピーカースタンド本体との相性が悪いと判断。スピーカースタンドを交換するとにしました。今までの経験で少し分かってきました。エンクロージャーの振動を予め特性に生かしたスピーカーは、スピーカーの支持を固めてはいけないこと。では、このSB-M20のように、エンクロージャーが振動しないスピーカーはどうするか。同じです。振動が少ない固めのスピーカースタンドに載せるのです。

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セッティングが完了しました。木製のスタンドですが、カッチ!!カッチ!! やで(笑) 叩いても響きません。しかし、あくまでも木製の固さです。金属ではありません。

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接客の合間に試聴しますが、なかなか本格的に集中して聴けません。

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Cross  Talk「白い森の音楽祭」から!!

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球は十分に温まっています。ちはるさんのピアノも悪くない。清吾さんのサックスも!! 今までこのアルバムを最高に聴かせてくれたのは、VictorSX-V05でしたが、非常に近い鳴り方をしました。

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特徴はサックスの音の太さです。木管楽器の輝きまではもう一歩ですが、サックスの存在感は素晴らしい。また、このSB-M20は特有の臨場感を持っていることに気付きました。

バッフル面積は最小限。エンクロージャーはカッチリ固められ、背面には巨大なバスレフポート!!  きっと、ここらへんが設計者の音作りの狙いかもしれませんね。続いて、あらためてフジ子さんにチャレンジです。

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悪くないのですが、イメージ的にお伝えすると長方形の屏風の範囲でオケが演奏している。なんとも,不思議な音場となりました。また、ある時はステージ下で、またある時はステージ上で聴いている感じもします。フォルテシモになると、音場は縦に拡がります。低域も14センチウーハーとして満足できますし、解像度も十分あります。ただ、音場感は独特なのです。

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スピーカー左右の間隔も調整したり、リスニングポイントを前後してみましたが、やはり独特な音場感を持っています。音質自体は「濃い」と「硬い」の境目と言えば分かるでしょうか?! ただ、クロストークもフジ子も聴いている途中で、店主が寝てしまったことを考えると、心地よい音楽に聴こえていたのでしょう。

最後に…天満さんに結論を求めました。

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下手をすると更に音の迷宮へ入り込む恐れがあるかもしれません…。ボリュームを少し下げて…。

(゜o゜)    (゜o゜)      (゜o゜)
過去に聴いた、どのスピーカーより自然な音場が表れたでは、あーりませんか (゜レ゜)

バイオリンの音像・響きは全く拡がらず、今までの中で最小。パイプオルガンも低域から高域まで、静かにパイプが響きます。ホールの高さや奥行感も自然。ホールに鳴り響く、音の「空気感」を感じました。スピーカーユニットだけを振動させることにより、この再生音になったのかもしれません。バイオリンとパイプオルガンの音だけがが漂うホール。もちろん、嫌な付帯音もありません。音像は全て巨大ではない!!

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まとめます。只今、ビルエバンスを試聴中。ベースの響きが心地好い♡ 癖になる音です。

このSB-M20は、きっちりとセッティングして鳴らせば、濃い音でソフトの内容を全て表現します。しかし、いい加減なセッティングでは音が悪いスピーカーと判断するでしょう。 セッティングがこのスピーカーのキーワードです。今でもSB-M20の人気はあまりないようですが、本気で鳴らして下さい!! すばらしい結果が待っていますよ。

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今回は、TechnicsSB-M20を紹介いたしました。Technicsの技術力に脱帽です。スピーカーは値段じゃありませんね。

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次回もお楽しみに♬
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